キミガ ウソヲ ツイタ
子どもはいずれ欲しいと思っていたし、婚約してからは“二人は欲しいね”などと二人で話していた。
だけど俺の中では、『俺と葉月の間に子どもがいる生活』はどこか現実離れしていて、ここよりずっと先にあるおぼろげな夢のように感じていた。
それが思っていたより早く現実になり、この俺がちゃんとした親になれるだろうかとか、葉月は無事に出産できるだろうかとか、子どもは元気に生まれてきてくれるだろうかなどという、これまで感じたことのない不安が一気に押し寄せた。
そしてそんな大きな不安を差し引いても、俺たちの家族ができるということは、とても嬉しいと思えた。
「ヤバイ……俺、泣きそう……」
「泣くのはまだまだ早いで」
葉月はそう言って笑いながら俺の手を握った。
「シャンとしてや、これから父親になるねんで。一緒に頑張ろな」
「うん、頑張るよ。葉月と子どものことは、何があっても俺が守るからな」
「頼もしいオトンやなぁ」
俺たちは新しい命を授かったことを母に報告したあと、また来るよと約束して、手を繋いで車に戻った。
車に乗ってしばらく経った頃、葉月が重そうなまぶたをなんとか閉じまいと耐えていることに気付いた。
俺が運転しているのに自分だけ寝てしまうのは気が引けるのだろう。
だけど俺の中では、『俺と葉月の間に子どもがいる生活』はどこか現実離れしていて、ここよりずっと先にあるおぼろげな夢のように感じていた。
それが思っていたより早く現実になり、この俺がちゃんとした親になれるだろうかとか、葉月は無事に出産できるだろうかとか、子どもは元気に生まれてきてくれるだろうかなどという、これまで感じたことのない不安が一気に押し寄せた。
そしてそんな大きな不安を差し引いても、俺たちの家族ができるということは、とても嬉しいと思えた。
「ヤバイ……俺、泣きそう……」
「泣くのはまだまだ早いで」
葉月はそう言って笑いながら俺の手を握った。
「シャンとしてや、これから父親になるねんで。一緒に頑張ろな」
「うん、頑張るよ。葉月と子どものことは、何があっても俺が守るからな」
「頼もしいオトンやなぁ」
俺たちは新しい命を授かったことを母に報告したあと、また来るよと約束して、手を繋いで車に戻った。
車に乗ってしばらく経った頃、葉月が重そうなまぶたをなんとか閉じまいと耐えていることに気付いた。
俺が運転しているのに自分だけ寝てしまうのは気が引けるのだろう。