もののけ会社と甘いキス。
動き出す関係。
「美音……?」
いつもなら一度試しに付き合えばいいとか
簡単に言うのに。
どうしちゃったの?
「ほら私は、あんたの幼馴染みだからね。
幸せになって欲しいと思っているのよ。
でも、社長ってあれじゃん?
凄い美形だけど人を寄せ付けないところがあるし
何を考えてるか分からないし……」
「それに私達と別世界の人みたいじゃない。
向こうも響のことを面白半分で、
からかっているだけで
本気になってくれるか分からないのでしょ?
そんなの危ないわよ。絶対に泣かせられるわよ」
美音の言葉に胸が刺さった。
正論過ぎて言い返すことが出来なかった。
やっぱりそう思っていたんだ……。
「……うん」
私も分かっているだけに落ち込んでしまう。
「もうこれ以上。社長に関わったらダメよ!
響。あの男は、危険だわ。
泣かされてからでは遅いのだから」
いつもより真剣な表情で言われる。