もののけ会社と甘いキス。

「お母さん。もう少し
詳しく教えて。私と会社がなんなの?」

もしかして
私が、あそこに入社出来たのって
何か関わり合いがあったの!?

すると母が、またため息を吐いた。

「お母さんと現在の社長のお父様とは、
昔から知っているわ。先輩と後輩だったの。
と言ってもあの人は、第3か第4の人生を
楽しんでいるような人だったけど」

えっ……?

社長のお父様……つまり会長と母が知り合い!?
あ、でも会長は、かなり前に亡くなったはず

驚く私に母は、話を続けた。

「あなたが、あそこの会社に入社出来たのは、
あの人……会長のお陰よ!
月ノ宮と九門寺一族とは、昔から
因縁のある家系だった。私と会長
九門寺 光とは、学生の頃から古い付き合いで
腐れ縁だったの。
でも、お互いにライバル関係でもあったわ」

そう話すお母さんは、切なそうだった。

お母さん……?

「いい?妖怪と人間の恋は、やめた方がいいわ。
後が辛くなるだけよ!
あなたが力を封印している間は、
守ってくれるけど……周りにそれを知れたら
命だって危険になるの」

「響……もう周りに知られた以上。
会社を辞めなさい。
そして一人暮らしを辞めて実家に戻りなさい」

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