もののけ会社と甘いキス。

「はぁっ?お昼をご馳走した?
お前……食べ物に釣られてひょこひょこと
あんな何を企んでいるか分からない奴に
ついて行ったのか!?」

「別に食べ物なんかに釣られてないわよ!!
社長は、そんな卑怯なやり方なんてしないわ」

社長の性格だ。やるなら
堂々と行動を起こすだろう。

「はぁっ?響。お前……どうして
あんな奴に肩を持つんだ!?
アイツは、敵。妖怪なんだぞ!!
嘘つきで信用なるかよ……どーせ。
弄んだら捨てられる」

「社長は、嘘つきではないわ。
それに、嘘つきなら司もそうじゃない!!」

私は、あまりにも腹が立ったため
思わず口に出してしまった。

うっ……こんなことを言いたい訳ではないのに。
分かってくれないから言葉に出てしまった。

「はぁっ?誰が嘘だ。誰が?」
 
司にキレられる。

「だって司は、月ノ宮一族の事とか妖怪のこととか
ずっと私に黙っていたじゃない!!
怖いこと言うくせに、肝心なこと言わないし」

この生意気な態度の
司は、月ノ宮神社の次男坊だ。

私とは、2つ年下の大学生。
昔は、一緒に住んでいたけど、そんなこと
聞いていない。

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