もののけ会社と甘いキス。

「はぁっ?言わなかったのではなくて
お前が忘れているだけだろ!?
昔は、お前だって霊感が強かったんだぞ」

「えっ……?」

私が霊感が強かった……?
 
するとハッとした。
そういえば、母が私の力を封印する際に
記憶を無くしたと言っていたわ。

「まぁ、お前のは……途中で記憶を
無くしているけど
昔は、俺や兄貴よりも霊感が強くて
1番跡継ぎに相応しいと言われていたんだ!
あの時までは……」

あの時までは……?

どういうこと。私の力を封印するのに
何か関係があると言うの?

「とにかく。響……お前は、騙されている。
アイツは、妖怪の当主なんだぞ。
それに式神の美音を傷つけた残忍な奴だ!
他に何をするか分かったもんじゃない」

ハッ……美音は!?

動揺して忘れていたけど
美音は、無事なのだろうか。

「ねぇ、それよりも美音は?
カラス天狗に襲われて怪我をしているはずなの」

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