もののけ会社と甘いキス。

すると雪江さんは、
静かにお冷やを飲むとクスッと笑う。

「響ちゃん。私もあなたと同じ
選択を迫われたことがあるの。
立場は、逆だったけど……」

「えっ?どういうことですか!?」

雪江さんが……?

私は、驚いてしまった。
すると雪江さんは、懐かしそうに話始めた。

私は、ずっと昔に
ある村の男性と恋に落ちたの。

彼は、正体を知った私を雪女でも
構わないと言ってくれて
そのまま嫁いで数年後には、子供を宿し
家族仲良く暮らしていたわ。

私もその血を引いた子供も年をとらないから
年に合わせて姿を変えていたけど……ある日。

それが村の人にバレちゃって
化け物や呪われた家族などと陰口を言われ
嫌がらせを受けたわ。

それでも主人は、
私達を守ろうとしてくれたけど

「化け物に取り憑かれてる」とか言われて
主人自身にも被害が……。

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