もののけ会社と甘いキス。

私は、家族や周りに迷惑をかけたくない。
そう思い……社長への気持ちを諦めようとした。

もともと社長は、雲の上の人。

妖怪と私だと不釣り合い。
でも……。

社長は、私に何気に優しく接してくれることもある。

あの微笑みを見ると胸がギュッと
締め付けられそうになるの。

私は……後悔をしている。
社長に酷いことを言ってしまったことに……。

涙が溢れて止まらない。

「……響!?」

その涙に動揺する美音。

「妖怪とか人間とか関係ない。

一族のことなんて、捕らわれずに
あなたの気持ちを大切にしてあげて。
私は、どの選択をしてもあなたの味方よ」

雪江さんは、ニコッと微笑んだ。

雪江さんを愛した旦那さんは、
一体どんな気持ちで待っていたのだろう?

人間ではない雪江さんをどうやって
受け入れたのだろう?

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