もののけ会社と甘いキス。

バチっと静電気のようだった。

上手く弾き返せたが
そのせいで、闇野さんの頬に傷が……。

「なるほど。確かに月ノ宮一族の血縁者だ。
俺を力で弾き返すとはね……」

フフッと笑うと手で頬の傷を拭い
ついた血をペロッと舐めた。

ゾクッと背筋が凍った。

やっぱりこの人……今までの妖怪と違う。

力の差だろうか。
明らかに怖いと思った。

「いいだろう。君の血を手に入れたくなった。
キスならOKと言うことは、
どうやら恐怖や危険に反応をするみたいだね。
君の結界は……」

すぐに分析を始めた闇野さん。

どうしよう……何とか逃げなくちゃあ!?

「なるほど……だったら
恐怖を与える隙を作らなければいい訳か。
じゃあ、気持ちよくさせるか
恐怖すら分からない状態にさせれば
血を吸えるチャンスは、あるってことかな?」

私を見るなりニヤリと笑った。

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