もののけ会社と甘いキス。

「あぁ、そうだ。親父が決めた婚約者は、
ヴァンパイア一族の長の1人娘。闇野美麗だ」

社長は、ため息を混じりに答えてくれた。

闇野……美麗!?

その女性は、秘書課で
闇野静夜さんの双子の妹。

まさかの人物の名に驚いた。

「ヴァンパイアの現在の当主は、
腕利きの幹部だけど……娘の美麗ちゃんを
溺愛しているから。
社長との縁談に持ち込めば大人しくなると
思ったみたい。確かに。
現当主は、それで良かったのだけど
どうやらまだ、居るみたいなのよ……反逆者が」

「アイツだろう。双子の兄の闇野静夜。
アイツは、そんなのより
俺の座に興味があるだろうしな」

社長と雪江さんのやり取りに
ドキッとした。

私は、その反逆者である闇野さんに
誘惑されかけたのだ‼️

あの時は、美音に助けてもらったけど
もしかして……そのために私に近づいたのかしら?

社長を引きずり下ろすために……。

そう思うと恐怖と罪悪感で
胸が押し潰されそうだった。

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