もののけ会社と甘いキス。

私の手をずっと握ってくれた。

そして、何より私の見る雰囲気が
変わったように感じた。

気のせいかも知れないけど……。

会社に着くと私は、
会社の独特な雰囲気に呑む込まれそうになった。

何よ……これ?

あちらこちらから
ただならぬ気配に吐き気がする。

なんて言うのだろうか……怖い。

「響?大丈夫か!?」

「……何だか……怖いです」

よくこんな怖い場所で働けていたわね。
私……。

周りの目や雰囲気に恐怖を覚えた。
身体が震えてきた。

「そうか。封印が解けたから
響の中に眠っていた霊力が目を覚ましたのだろう。
働くのが無理なら社長室に来い。
あそこなら、まだ結界で妖怪も寄せ付けないように
出来るし、落ち着けるだろう」

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