もののけ会社と甘いキス。

「どうして人間と共存しているのですか?
正体を隠してまで……」

私が質問すると社長は、ため息を吐いた。

「人間と上手く付き合って行くには、正体を隠し
同じように生活をするほうがいいからだ。
大昔と違い人間は、長く生きられないくせに
妖怪を拒み怖がり……共存を嫌ってきた。
まぁ我々の中にも狂暴な奴らが居るせいもあるが」

「そのために妖怪は生きにくい世の中になった。
しかし妖怪も普通にお腹は空くしお金もかかる。
妖怪の中には、ヴァンパイア一族みたいに
人間と共存して血を吸わないと
生きていけない者もいる。
九門寺カンパニーは、昔からそれをまとめて
保護し、生きて行くための提供する場所だ!」

妖怪と人間は、
そんな風に生きてきたなんて!?

知らなかった事実に衝撃を受けた。
会社には、そんな裏事情があったなんて……。

動揺する私に
社長は、クスッと笑った。

「他の人間もお前みたいに単純で
扱いやすい奴らばかりだったら楽でいいのに。
だが、そういう奴らばかりではない。
今、騒がれたら色々と面倒だ!
俺は、当主として妖怪……仲間を守らないとならない」

「だから他の奴らに俺らの正体を明かしてみろ。
それだけは、俺でも 許さない」

その瞬間。
氷のように冷たい表情になった。

ビクッ!!

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