もののけ会社と甘いキス。
まさか……こんなところで遭遇するなんて。
こんな綺麗で上品な山里さんが
妖怪だなんて信じられなかった。
すると山里さんは、フフッと笑いながら
「自己紹介が、まだだったわね。
私は、秘書課の山里雪江です。この姿は、仮で
本当は、雪女なの」
雪女!?
雪女って、あの……雪山に住んでいて
人を氷漬けにするという美しくも冷酷な妖怪?
「えっ……えぇっ!?
見えませんね。雪女だなんて」
「フフッ……ありがとう。
妖怪もそうだけど雪女は、悪いイメージもあるから
怖がられても仕方がないことだと思っているわ。
でも無闇に人間を襲ったりしないから
安心して下さいね。
私達は、あなたの味方ですから」
ニコッと微笑んでくれた。
山里さん……。
社長や三津谷さんだと
妖怪は、怖いイメージがあったけど
山里さんは、そんな風には見えなかった。