もののけ会社と甘いキス。
私は、つい調子を乗って
社長のお母様のことを口に出してしまった。
それがいけなかった……。
食べていた社長の手が止まった。
「それも雪江から聞いたのか……?」
「えっ?は、はい。そうですが……?」
不思議に思い社長を見てみると
凄く不機嫌そうな表情になっていた。
あれ?もしかして私は、言ったらいけないことを
口に出してしまったのだろうか?
だとしたらまずいと思った。
「アイツ……余計なことを。
だから俺は、人間の女に対して本気にならん。
どーせ俺らより早く死ぬんだ。
本気になる価値もない」
「都合のいい時に抱いて子供を産ませればいい。
それ以外の感情なんて無意味だ!」
冷たい表情で、そう言ってきた。
さっきまでの笑顔が何処かに行ってしまった。
でも私には、本気で
言っているようには見えなかった。