もののけ会社と甘いキス。

「お前……知らないのか?
月ノ宮神社は、古くから妖怪専門の陰陽師だ。
その中でも巫女は、強い霊力を持って生まれる」

えっ……そうなの?

「そんなの母からも全然聞いたことがありません。
何かの勘違いでは……?」

幼い頃に月ノ宮神社の離れ家に
住んでいたことはあるけどそれは、ずっと昔だし。

そもそも我が家は、平凡の一般家庭だ!
母は、嫁いでいるから神社とは、もう関係ないし。

「いや、間違いない。その月ノ宮一族の家紋。
そして俺すら弾く強力な霊力」

いやいや。
これは……生まれつき付いているただのアザだ。

私にそんな強い霊力なんて持っていない。
怖がりで霊感すらないのに……。

「ち、違います。ただの静電気で……」

「静電気?そんなモノで
俺を弾き飛ばせる訳がないだろ」

そう言いながら私に
また無理やり触れようとしてきた。

するとまた静電気みたいなのが起きて
社長を弾き返してしまった。

社長の腕から血が垂れていた。

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