もののけ会社と甘いキス。

あ、血が……垂れている!?

「す、すみません。血が……」

どうしよう……。

ワケが分からないまま社長に
怪我をさせてしまった。

すると社長は、ニヤリと笑うと
血が出ている腕をペロッと舌で舐めた。

「面白い……月ノ宮一族の子孫か。
どうやら危険を感じると自動的に結界を張り
弾き返す仕組みになっているようだな。
なるほど。確かに簡単には抱けそうもない」

何だか楽しそうだった。

「あの……私には、何が何だか分かりません。
すみません。取り合えず……これを」

動揺するも急いでティッシュ箱を取り
腕の血を抑えた。

血がティッシュにすぐに染みて
とても痛そうだ。 

いくら襲われそうになったとはいえ
社長に怪我をさせるなんて
本来ならクビになってもおかしくない。

どうしたらいいのだろうか……?

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