もののけ会社と甘いキス。
私が見たのは、9本の白い
尻尾を持つキツネの格好した社長だった。
私は、夢でも……見ているのだろうか?
思わず頬をつねってみた。
頬が痛い……ってことは、これは
ゆ、夢ではないの!?
ま、まさか……そんな非日常的なことが
目の前で起きるなんて……。
と、とにかく……見なかったことにしよう。
うんうん。そうしよう。
そう納得させて
何とか、そこから抜け出そうとした。
しかし慌てて行こうとしたので
足が躓き転んでしまった。
「キャアッ!?」
「だ、誰だ!?」
社長と三津谷さんに気づかれてしまった。