かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
はっきりと言葉にされて、困惑にごくりと息を呑む。

言っていることは無茶苦茶なのに、彼の表情は真剣そのものだ。

まさか本気……?

でもどうして沙之くんが私のためにそこまでするの?

「……どうして……」

「傷つくのがわかってるんだったら、結婚なんかやめた方がいいだろ」

沙之くんの表情に熱がこもり、私の瞳をたじろぐほどじっと見つめる。

これ以上目を合わせてはいけない、そんな気がして怯えるように視線を逸らす。

「……俺が代わりに幸せにしてやるから、安心して」

「そこまで心配してくれなくても、私は大丈夫だよ」

「でも。俺、瑠莉ちゃんのことが好きだから」

え?
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