かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
彼はきっと今、気持ちを整理しているところだ。私との未来に向けて、ちょっとずつ前進しようとしてくれている。

だから、彼の準備が出来るまで待とう。

「いつか、私のこと、愛してくださいね」

「急に背伸びしようとするなって」

だから無理なんてしていないのに。やっぱり彼の子ども扱いはちっとも変わらない。

「不安がるなよ。ちゃんとお前のことだけ、見ているから」

仕方ないか、と息をつく。そう言ってくれるだけで今は満足だ。

颯志くんの中で、本当に喜美江さんが過去の人で、この先、私だけを見てくれるのなら。

いつか彼に、私のことを愛してるって言わせてみせる。

たとえ今は子ども扱いでも、いつかきっと、私を抱かずにはいられなくなるくらい、魅了してやるんだ。

そして本当のパートナーに――颯志くんの妻になるんだ。そう、心に誓った。
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