かりそめ婚!?～俺様御曹司の溺愛が止まりません

今日の颯志くんは、お母さまのご友人にお会いするからだろうか、白いシャツにかっちりめのブラックジャケットを重ねていて、いつも以上に格好よく見える。

颯志くんこそ、どんどん格好よくなっていくよ。

大人の男の、洗練された色気だ。こんな彼を誘惑しようだなんて、私には到底無理な気がしてくる。

エスコートをされ助手席に乗り込み、彼も運転席へと回り込んだ。ハンドルを前にすると、いっそう頼もしく魅力的だ。

シートベルトを締める前にまず、颯志くんはこちらをじっと覗き込むと、人差し指を私の顎に添えて軽く顔を押し上げた。

「まずは挨拶。麗しい未来の妻へ、愛を込めて」

そう甘い言葉で囁いて、私の唇へ文字通り愛を注ぎ込む。

「っん……」

角度を変えて軽く食まれ、唇を離す頃にはぼんやりと惚けていた。