かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「そ、颯志くん!?」

「瑠莉に世話焼いてもらえるの、なんだか嬉しいな」

そう言って私を自分の中へ押し込める。

私は彼の胸に顔を埋めながら、パチパチと目を瞬かせて困惑した。

「突然、どうしちゃったんですか……!?」

こんなに私へ甘えてくるなんて。なんだか颯志くんらしくない。

すると、彼はあえて私に顔を見せないようにして、ぽつりと呟いた。

「独占欲を自覚した」

「へっ?」

思わず赤面する。自覚したって……きっかけはもしかして、一か月前、沙之くんとふたりでいるところ見られたこと?

颯志くんは私の体をパッと離すと「いい加減、行こう。時間に遅れる」そんな言いわけみたいなことを言って、今度こそシートベルトを締めエンジンをかけた。

心なしか、運転する颯志くんの頬はちょっぴり赤い。
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