かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
次期社長の座に関しても、役員からは俺の名前しか挙がらなかった。

当然だ。沙之はまだ社会人になったばかりだし、なにしろ俺は父の跡を継ぐために幼い頃から教育を受けてきたのだから。

――できれば、沙之には俺の補佐をしてほしかったんだが……。

成長した沙之が副社長になって、俺を支えてくれたらどんなにいいか。

だが、きっと沙之は、俺の二番手など嫌だと言うだろう。

兄弟の仲が険悪な今、俺が社長に就任したとして、その後の沙之の扱いをどうするかが俺の中での最大の悩みだ。

仲良く会社を経営――とはいかないか。

いずれにせよ、なぜ沙之が瑠莉に手を出し始めたのかはわからない。

兄弟のいざこざに、瑠莉を巻き込みたくはなかったのだが……彼女に手を出されたからには、黙っているわけにはいかなくなった。
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