かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
もしかして、私って迷惑? 颯志くんは、これっぽっちも私と一緒にいたくない?

「うぅ……う……」

いっそう悲しくなってきて、ぎゅっと唇をかみしめ、ぷるぷると肩を震わせた。頬を熱い涙が流れていく。

颯志くんは苦虫をかみ潰したような顔で大きなため息をつくと、面倒くさそうに立ち上がり、私の横にしゃがみ込んだ。

私の頭の上に手を置いて、以前よりも大人っぽくなっていっそう格好よくなった顔立ちで、私を覗き込む。

「同じ学校に通わなくたって、隣の家にいるじゃないか」

「……でも、颯志くん、忙しくていつもいないじゃない」

「あー……まーな……」

ぐしゃぐしゃと私の髪をかき混ぜながら、颯志くんは気だるく頷く。

「じゃあ、メールしろ。お前、親から携帯もらってるんだろ?」

私は涙を飲み込んでコクリと頷いた。
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