かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「そうだな。お前が大人になって、何人か彼氏作って、それでもまだ俺がいいと思えたなら結婚してやるよ」

「颯志くん以外の彼氏なんて、作らないわ」

「作れよ。社会勉強だと思って」

「絶対いや」

颯志くんは私の体を抱きしめたまま、ゆらゆらと揺りかごみたいに揺すって笑う。

「もう。そうやってごまかして」

むすっと顔をしかめながらも、颯志くんに包まれる温かさが心地よくて、まどろんでしまった。

幸せだ。ずっとこうしていたい。大きくなって、結婚して、夫婦になって、毎日ずーっとこうしていたいよ。

私を抱えたまま、颯志くんはカーペットの上にごろんと倒れ込む。泣き疲れてしまった私は、颯志くんの片腕を枕に、片腕を布団にして、浅い眠りにつかせてもらうのだった。


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