かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「だって、颯志くんが、私のことを全然女性として見てくれないから……」

「誘惑しようとしてたのか?」

私の言葉を先回りして、胸元にかみつくような口づけをくらわされ、「きゃっ……そ、颯志くんっ……」思わず悲鳴をあげた。

主導権はすっかり彼が握っていて――。

「その誘いに乗ってやる」

「っ……!」

乗ってやるなんて言いながら、あきらかに彼のペースで弄ばれ、私は体をくねらせながら見悶えた。

ウエストの曲線に唇を滑らせながら、颯志くんは呟く。

「昔、一緒に風呂に入ったときとは、大違いだな」

「颯志くんだって、全然違いますよ……」

お互いさまだ。私も颯志くんも、あの時はまだ男と女じゃなかった。
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