かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
それを言うなら、彼は今までいったい何人の女性と遊んできたのだろうか。

私より颯志くんの方が、よっぽどひどいじゃないか。だんだん腹が立ってきた。

「颯志くんだって! 私のことを振って、たくさん遊んでいたくせに。本気でもない女性と数え切れないくらい寝たんでしょ!」

八つ当たりみたいに颯志くんの胸を叩くと、私の手首を掴んで、彼は真顔になった。

「……寝たよ。たくさんの女性とした。悔しいか?」

「っ……! 悔しいっ! すごく、悔しい!」

残酷な挑発に涙が滲んでくる。こうして体を重ねている間だって、本当は、過去に颯志くんに愛された女性たちの存在を思うと悲しくて仕方がないのに……。

「この……女ったらし! 私のこと、六年間も放っておいて……!」

「やっと怒ってくれたな」

涙を散らしてムキになった私を見て、颯志くんはなぜだか嬉しそうな顔になる。
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