かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「颯志くんっ……!!」
「……瑠莉!」
ふたりで最高の快感に酔いしれて、私たちは力なくその場に体を横たわらせた。
呼吸をならした後、颯志くんは再び私を自分の胸の中に抱き寄せる。
私は意識がふわふわとしていて、ずっと夢の中にいるみたいだ。
颯志くんの片腕を枕に、片腕を布団にしてまどろむ。
もしかしたら、記憶にないくらい幼い頃にも、こうしてぎゅっと抱きしめられながら寝かしつけてもらったことがあったかもしれない。
なんとなく懐かしくて、満ち足りる。
これまで感じていた不安はすべて消し飛んで、今はただ真っ直ぐ、颯志くんを信じることができる。
颯志くんと、愛し合うことができた……。
その事実をかみしめて、初めて心の底から安堵した。