かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
第八章 祝福に包まれて
あれから一年が経ち、結婚式の当日を迎えた。
朝早く式場に向かうと、控室には颯志くんがこだわってオーダーしたウェディングドレスが飾られていて、式を前にして早くも涙がこぼれ落ちそうになってしまった。
「まさか颯志くんが、本当に娘をもらってくれるなんて」
横にいたお母さんはさっそくひと泣きしていて、お父さんはかろうじて涙を堪えてはいるものの、顔をしかめて眉をひくつかせている。
「素敵なウェディングドレスだわ。私も三十年前はねえ、お父さん」
そう惚気たことを言うのは、颯志くんのお母さま。そして――。
「母さんだって、今日の着物は充分素敵だよ。こういうのは、年を重ねたなりの楽しみ方があるだろう」
そう答えたのは、モーニングコートを身に纏い、しっかりとした足取りで自立する颯志くんのお父さま。
手術は成功し、すっかり元の元気を取り戻していた。本人曰く、颯志くんと私の結婚が、生きる力を与えてくれたのだとか。
気がつけば新しい家族が控室に勢揃いし、立ち話に興じていた。
朝早く式場に向かうと、控室には颯志くんがこだわってオーダーしたウェディングドレスが飾られていて、式を前にして早くも涙がこぼれ落ちそうになってしまった。
「まさか颯志くんが、本当に娘をもらってくれるなんて」
横にいたお母さんはさっそくひと泣きしていて、お父さんはかろうじて涙を堪えてはいるものの、顔をしかめて眉をひくつかせている。
「素敵なウェディングドレスだわ。私も三十年前はねえ、お父さん」
そう惚気たことを言うのは、颯志くんのお母さま。そして――。
「母さんだって、今日の着物は充分素敵だよ。こういうのは、年を重ねたなりの楽しみ方があるだろう」
そう答えたのは、モーニングコートを身に纏い、しっかりとした足取りで自立する颯志くんのお父さま。
手術は成功し、すっかり元の元気を取り戻していた。本人曰く、颯志くんと私の結婚が、生きる力を与えてくれたのだとか。
気がつけば新しい家族が控室に勢揃いし、立ち話に興じていた。