かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
……それでも、寂しいだろうな。

父も、母も、そして私も。

二十五歳で結婚――考えていたよりもちょっぴり早かった。学生時代の友人は、まだ誰も結婚しておらず、私が一番乗りだ。

晩婚化が進んでいるせいか、はたまた、仕事で活躍する女性が増えてきているせいか、結婚はまだまだいいなんて言っている友人がほとんどだ。

私も、きっと颯志くんとじゃなかったら、結婚なんて考えなかったはず。

颯志くんは六年間も私のことを放っておいたくせに、あの夜以来すっかり私にご執心で、早く瑠莉と一緒になりたい、果ては子どもが欲しいなんて言っている。

こんなにも、幸せな結婚が出来るなんて、夢みたい。

颯志くんはたっぷり愛を注いでくれるし、誰もが祝福してくれる。なんて贅沢なことだろう。

ただひとつ、気になることがあるとすれば――。
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