かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「本当に申し訳ありません」

私と颯志くんは、とにかく平謝りだ。

「すぐに補修してみますが、なにぶん、時間がないもので、完全に元通りというわけには……」

やがて騒ぎを聞きつけた親族も部屋を訪れて、控室は一気に人があふれかえった。

「なに? どうかしたの?」

「っまぁ! ドレスが!」

両親たちも蒼白になって、破れてしまったドレスを見つめる。

「どうしてこんなことに……」

呟いた颯志くんのお母さまの言葉に答えるように、沙之くんが一歩前に踏み出した。

「……ごめんなさい。俺が――」

「わ、私が!!」

言葉を遮り、私は沙之くんの体を押しのけてお母さまの前に立つと、大きく腰を折って頭を下げた。
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