かりそめ婚!?～俺様御曹司の溺愛が止まりません

「な、なにがだよ」

たじろぐ沙之くんに向かって、颯志くんはキッパリと言い切る。

「隠れたところでは、もっと激しい」

「…………」

反論する気も失せたのか、沙之くんは肩を落とす。

隣で喜美江さんが「若いっていいわね～」と頬を赤く染めた。

「……まぁ、俺もいつかは結婚くらいするだろうし、あのディープキスは避けるとしても」

コホン、と小さく咳払いをして、沙之くんは颯志くんを流し見る。

「……兄貴が社長になる頃には、ちゃんと身を固めて、隣に立っていられるくらいにはなりたいって思ってるし」

沙之くんの言葉に、ぴくりと颯志くんの肩が震える。

それは、颯志くんと一緒になって、会社を支えていく意思があるということ、そして、颯志くんが社長になることを認めてくれたということをあらわしていて――。