かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「嬉しいな。また、昔みたいに、颯志くんと一緒に眠れて」

能天気に浮かれているのは、こいつだけだ。俺は深いため息をつく。

「ダメだ。さっさと出ていけ」

「どうして?」

「俺の部屋に泊ったと知られたら、俺が文句を言われるだろう!」

俺は二十一歳。瑠莉は十五歳。間違いなく俺の責任問題になる。

「とにかくダメだ。出ていけ」

「やだ、待ってよ、ちょっとだけ!」

「ちょっともなにもあるか! ガキは寝る時間だ!」

「じゃあ十分だけ! 十分だけでいいから一緒に寝よ!」

「はぁ!?」

こいつは自分がなにを言っているのか、まったく理解していないのだろうか。

そろそろいい年になる女が、『一緒に寝よ』とは。何を考えているんだ。他の男には言ってないだろうな?
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