かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
十年という月日が流れ、今も変わらず瑠莉は俺の腕の中にいる。

「朝晩の気温がだいぶ下がってきましたね。そろそろ厚い上がけを出しましょうか」

再会した彼女は、謙虚さを身につけたらしく、俺に敬語を使うようになった。

これはこれでしおらしくてかわいいのだが、昔のわがままお姫さまだった頃の彼女もたまに恋しくなる。

「瑠莉が寒いなら出せばいいよ」

「私は……颯志くんと一緒なら、寒くはないんですけどね」

そう答えた瑠莉は、俺の左腕のつけ根に頭を置いて、まだ冷たい体を俺の方へ寄せた。

つい先ほどまでひんやりとしていたベッドは、二人分の体温でじわじわと温まり始めている。

瑠莉自体は低体温らしいのだが、俺の熱を受けて温まった瑠莉の体は、夜中、湯たんぽのようにホカホカと熱を発する。
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