かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「瑠莉」

また瑠莉の過剰な遠慮癖が出始めて、俺はたしなめる。

大人になるとなかなか、わがままが言えなくなるよな。瑠莉がその最たるもので。

「約束だろ。我慢しないって」

「でも――」

「今さら、嫌いになんかならないから。小さい頃、さんざん瑠莉のわがままを聞いてきたんだ」

額にそっと口づけると、瑠莉の瞳は途端に潤み、わがままお姫さまの上目遣いになった。

「毎日、一緒にいたいです。ずぅっと、ずぅぅっと、一緒にいてくださいね?」

「わかってるよ」

「ずぅぅぅっと、ですよ?」

「わかってるって」

何度も念を押してくる、心配性な彼女を強く強く抱きすくめ、俺の熱を分け与える。
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