かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
目を閉じて彼の感触に意識を研ぎ澄ませながら、彼の首に腕を回し、もっとしてと訴える。

やっと彼が、私を女性として見てくれた……。

嬉しい。もっと抱いて。私を颯志くんのものにして。

もう私たちの間に距離なんて必要ない、くっついて、ひとつになってしまうんじゃないかってくらい、強く、激しく、その身を擦り合わせる。

ふたりの間を阻む衣服にもどかしさを感じたのか、彼は乱暴に私のシャツのボタンに手をかけて――

――そこまでだった。私が意識を保っていられたのは。

彼の首筋に絡みついていた腕が力なくベッドへ沈む。

「瑠莉……?」

彼の甘い声が私の名前を呼んでくれたような気がするけれど、答えることができない。

そのまま。お酒で朦朧とした私の意識は、闇の底へと落ちてしまった。
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