かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
最悪のパターンとしては、シャツのボタンを外してはみたものの、色気の足りない白い下着を見た瞬間、エッチなことをする気が失せてしまった……とか?

……も、もっと色っぽい下着にすればよかったぁ~……。

だって、まさかいきなりこんな状況になるなんて、夢にも思わなかったから。

昨晩のバーでは、せっかく私を誘惑するような蠱惑的な視線を投げかけてきてくれたのに――。

……期待してたんだけど……。

あのまま、男女の関係になれたとしたら、きっと後悔はしなかった。そう思うと胸の奥がじんと痛んだ。

わずかに光が差し込む部屋の中で、じっと彼の閉じた瞳を眺める。寝顔を見るのはいつぶりだろう。

子どもの頃か……こんなにまじまじと見つめたのは、もしかしたら初めてかもしれない。

目を閉じていても、精悍で、凛々しい顔立ち。

目を覚ましたら、私になんと言うだろう。「おはよう」だろうか。それとも昨晩、早々に酔いつぶれてしまった私への文句?
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