かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
――『続きは、部屋に行ってからにしよう』――

あの言葉は、本気だったの?

結局、なにも起こらずに、お酒という魔法は解けてしまった。

私が酔いつぶれなければ、ふたりの関係は変わっていただろうか。

……悔しい。それから、触れたい。

気づかれないように、そうっと顔を近づける。彼が眠っている間にキス――なんて勇気はこれっぽっちもないけれど、せめてこうして、口づけの真似事だけ……。

私が彼の頬に唇を寄せて、じっと長い睫毛を見つめていると……。

「……瑠莉」

彼の瞳がぱっちりと見開く。驚いた私は反応することすら出来ず、彼の顔の目の前で固まってしまった。

起きてたの……!?
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