かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「うちに来るのはいつぶりだ?」
一歩先を歩く颯志くんが、キョロキョロとして落ち着かない私に尋ねる。
「最後に来たのは中学生の頃だと思います」
「あの頃から、変わってないだろ」
「そうですね……相変わらず緊張します」
「緊張なんか、してたのか?」
「……何回迷子になったと思ってるんですか?」
「その度に見つけてやっただろ」
くしゃ、と私の頭を撫でながら、颯志くんは笑みを浮かべる。
小さかった私には、高い天井と細く長く続く通路は迷宮のように見えていた。
今では薄気味の悪さこそ感じなくなったものの、洋館独特の緊張感に当てられて胸が騒ぐ。
一歩先を歩く颯志くんが、キョロキョロとして落ち着かない私に尋ねる。
「最後に来たのは中学生の頃だと思います」
「あの頃から、変わってないだろ」
「そうですね……相変わらず緊張します」
「緊張なんか、してたのか?」
「……何回迷子になったと思ってるんですか?」
「その度に見つけてやっただろ」
くしゃ、と私の頭を撫でながら、颯志くんは笑みを浮かべる。
小さかった私には、高い天井と細く長く続く通路は迷宮のように見えていた。
今では薄気味の悪さこそ感じなくなったものの、洋館独特の緊張感に当てられて胸が騒ぐ。