かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「……お話している間、私、お部屋で待っていましょうか?」
「……いや、いいんだ。行こう」
部屋に入ってしまった沙之くんをあきらめたように見送って、颯志くんは再び歩き出す。
私たちは階段を降りようと、吹き抜けになっているエントランスホール上部へ向かった。
そのとき、お屋敷のチャイムが鳴って、使用人たちがざわざわとざわめき出した。
二階から玄関を見下ろすと、入ってきたのは、深紅の着物に身を包んだ美しい女性。
艶やかな漆黒の髪を結い上げていて品がよく「ごめんください」と凛とした声を響かせた。
後に続き、大きな布のかかった荷物を抱えた配達業者が続々と屋敷に入ってくる。
「ああ。華道の先生が来たみたいだ。瑠莉は加住先生を覚えているか? その娘の喜美江さんだ」
「……いや、いいんだ。行こう」
部屋に入ってしまった沙之くんをあきらめたように見送って、颯志くんは再び歩き出す。
私たちは階段を降りようと、吹き抜けになっているエントランスホール上部へ向かった。
そのとき、お屋敷のチャイムが鳴って、使用人たちがざわざわとざわめき出した。
二階から玄関を見下ろすと、入ってきたのは、深紅の着物に身を包んだ美しい女性。
艶やかな漆黒の髪を結い上げていて品がよく「ごめんください」と凛とした声を響かせた。
後に続き、大きな布のかかった荷物を抱えた配達業者が続々と屋敷に入ってくる。
「ああ。華道の先生が来たみたいだ。瑠莉は加住先生を覚えているか? その娘の喜美江さんだ」