かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
第三章 俺が彼女を選んだ理由
母さんに余計なことを吹き込まれて、瑠莉はすっかり心配顔だ。
完全に俺は女遊びのひどい信頼ならないやつだと思われてしまっている。
お互い、六年もブランクが空いたせいで探り探りの状態なのに、このイメージダウンは致命的だ。
……まぁ、遊んでなかったとは言わないが。
自身の女性経験を振り返ったところで、ひとり、ふたり、と数えていったらそれなりにいて、なんだか少し瑠莉に申し訳ない気分になった。
……仕方ないだろ。『恋愛』が、『出来なかった』んだから。
母さんの言葉は的を得ていて、『真剣に』お付き合いをした女性はほとんどいない。
自分のすべてを捧げたいと思えるような存在――それこそ、結婚したいと思えるような女性はただのひとりもいなかった。