かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
毎週末、立て続けに泊まりで申しわけないが、きちんと彼女と心を通わせる時間も必要だろう。

出来ることなら、『恋愛』から始めてひとつひとつ距離を縮めたかったのだが、親父の具合が思った以上に悪くて、そう悠長なことも言ってられなくなった。

結果的に、唐突に婚約なんてことになってしまったが、彼女には納得して結婚を選んでもらいたい。

彼女の心を俺に向けさせるだけの時間がほしい。

「今夜は、泊っていけ」

必ず今夜、彼女を落として、名実ともに俺のものにしてみせる。

俺だって、生半可な気持ちでプロポーズしたわけじゃあないんだよ。


会社の近くにある高層マンションの二十五階が今の住まいだ。

都心にあってセキュリティも厳重なせいか、芸能人なんかも多く住んでいるらしく、一度だけエレベータで有名俳優とすれ違ったことがある。
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