かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
リビングに入ると、一面にとられた窓から臨める夜景に、瑠璃は息を呑んだ。

ここに連れてきた女性は、たいがい「きれーい!」と喜ぶのだが、瑠莉の場合はだんまりで、余計蒼白になった気さえする。

「もしかして、高所恐怖症だったりするか?」

「い、いえ! 大丈夫ですよ。とっても綺麗な景色です」

慌てて笑った後、ぽつりとつけ加える。

「ただ、すごいところに住んでるんだなぁと思って。これが颯志くんの日常なんですね」

つまり、俺との距離感を余計に感じたってことらしい。

「瑠莉。来い」

彼女の手を引き、部屋の中央にあるソファに座らせ、俺も隣に腰を落とした。

じっと彼女と向き合って、これでもかというほど誠実に彼女の目を見つめて、手を握る。
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