かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「距離を置かないでくれ。俺はここにいる」

瑠莉の頬に触れ、唇を奪うと、彼女の喉から「んっ……」と艶っぽい声が漏れた。

わずかに顔を離して表情を観察すると、すっかり頬が赤く染まっていて、戸惑い半分で目を伏せている。

会わない六年の間に、いつの間にか彼女は色気というものを身につけたらしい。

男性の心をかきたてるテクニックも。そこに自覚があるのかどうかはわからないが。

半開きの唇はもっとしてと急かしているようで、理性がめちゃくちゃにかき乱される。

求めに従い舌を入れると、彼女は俺の腕の中でくったりと力を失った。

このまま、抱いてしまいたい。自分のものにして……独占したい。

彼女に対してこんな感情を抱くことになるなんて、夢にも思わなかった。

まだ子どもだと思っていたのに、気がつけばすっかり大人の女性に成長していて、俺を翻弄するような仕草を見せる。
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