かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
第四章 彼の心の中にいる女性
颯志くんは、私を特別だと言ってくれた。それから、大切だとも。

でも、愛しているとは言ってくれなかった。

何度も口づけをくれるけれど、けっして私を抱いてはくれない。

もう二晩もともにすごして、普通なら体を重ねたっておかしくないはずなのに、彼は決してキス以上のことをしてくれない。

私、やっぱり子どもだと思われているのかな……?

彼が結婚に対して本気であることはよくわかったけれど、私のことをパートナーとして見てくれているのかは謎のままだ。

もしかして、恋愛感情なんてすっ飛ばして、家族になってしまったのかもしれない。

それはそれで、私のことを大切に思ってくれている気持ちはありがたいけれど……でも、出来ることなら、落ち着いた熟年夫婦みたいな間柄になる前に、少しでも颯志くんと恋人同士でいられる時間がほしかった。

キス以上のことも……したいなぁ。

そんなことを考えてしまう私は、贅沢者なのだろうか?
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