かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
第一章 今は甘く、ほろ苦い過去をかき消して
「お前は本当に算数が苦手だな」
学校帰り、ランドセルを背負ったまま颯志くんのお部屋に遊びに行った私は、今日返却されたばかりのバツだらけの答案用紙を見られて赤面した。
以前にも一度、似たような点数の答案を見られたことがあるけれど、そのときよりもバツの数が多い。
颯志くんは勉強机に逆向きに腰掛け、背もたれに顎を乗せてうんざりと顔をしかめた。
「勉強しろよ」
「算数、嫌いなんだもん」
「それくらい出来なきゃ、立派な大人になれないぞ」
私はむうぅと頬を膨らます。成績優秀な颯志くんは、私立の中学校に通っていて、テストはいつも学年で一番だから、算数の嫌いな私の気持ちなんてわかんないんだろう。
「でもね、算数なんて大人になったら使わないってみんな言ってたよ?」
「使うよ。買い物のひとつも出来ないぞ」
「電卓があるもん」
学校帰り、ランドセルを背負ったまま颯志くんのお部屋に遊びに行った私は、今日返却されたばかりのバツだらけの答案用紙を見られて赤面した。
以前にも一度、似たような点数の答案を見られたことがあるけれど、そのときよりもバツの数が多い。
颯志くんは勉強机に逆向きに腰掛け、背もたれに顎を乗せてうんざりと顔をしかめた。
「勉強しろよ」
「算数、嫌いなんだもん」
「それくらい出来なきゃ、立派な大人になれないぞ」
私はむうぅと頬を膨らます。成績優秀な颯志くんは、私立の中学校に通っていて、テストはいつも学年で一番だから、算数の嫌いな私の気持ちなんてわかんないんだろう。
「でもね、算数なんて大人になったら使わないってみんな言ってたよ?」
「使うよ。買い物のひとつも出来ないぞ」
「電卓があるもん」