かりそめ婚!?～俺様御曹司の溺愛が止まりません

一週間後の土曜日。

今日は、喜美江さんが飾りつけてくれたお祝いの生け花を見るために、颯志くんと一緒に再び神楽邸を訪れる予定になっていた。

けれど、颯志くんに急なお仕事が入ってしまい、お流れに。

せっかく喜美江さんがお祝いの気持ちを込めて飾ってくれたのに、当の本人たちが一度も目にすることなく片付けられてしまうなんて、悲しすぎて心が痛んだ。

今日の昼過ぎには新しい生け花に飾り直されてしまうだろうから、目にするチャンスはあと数時間しか残っていない。

昼の十二時、私は意を決して、ひとりで神楽邸を訪ねることにした。お祝いの生け花をスマホで撮り、颯志くんに見せてあげよう。

私がひとりで訪ねても、神楽家のみなさんは私を歓迎してくださるだろうか。ちょっぴり不安だ。