Typhoon Of Love
⑬ (叶美サイド)
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話の全てが分かってくるのと同時に、4人の表情が曇っていくのが分かった。



「…何か、うちらかなり嫌な奴等だったね」



沈黙していた6人の間を破ったのは沙姫だった。


私たちと直接話して、全てを吐き出して気持ちのモヤモヤが"無"になって、罪悪感が一気に心に入り込んできたらしい。



「何でこんな人を騙すみたいに馬鹿なことしか考えられなかったんだろ。どうせ分かりきってることなら、友達でいられるくらいにしておけば良かった」



「もう、オレらのこと、嫌いでしょ?」



4人は私たち2人を見つめた。



「…ううん」



一真より先に私が答えた。



「最初は嫌だったよ。でもね、話聞いてるうちに、良い人達だなって、思うよ。根っからの悪じゃないよ、みんな」



その私の言葉を聞いた4人は一気に涙を流した。

綺麗な涙を光らせて笑っている。

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