Typhoon Of Love
⑦ (叶美サイド)
--*--*--*--*--*--

「返事はいつまでも待ちますから」



「う、うん…」



「それじゃ」



そう言って吉井くんは去っていった。

でも途中で何か思い出したのか、私のところに戻って来た。
そして彼は私の耳元でこうささやいた。



「返事をもらってなくても、あなたの行動次第で今日みたいなことしちゃいますからね。わかりましたか?……叶美」



そう言って今度こそ帰っていった。


吉井くんが帰っていったのを見て安心したのか地面にペタンと座った。

もしかしたら安心しただけではなかったのかもしれない。

――少なくとも耳元でささやかれたあの言葉に、心臓が弾けるくらいにドキドキして、心が潰れてしまうくらいにぎゅーっとなったから――

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