Typhoon Of Love
⑨ (一真サイド)
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こんな時間までこんな薄暗い部室棟にいるやつなんて、部室当番以外有り得ない。
だからあそこにいた女は叶美に間違ない。

…だとしたら相手は誰だ?


オレはもう一度彼らがいる場所を壁の影から覗いた。

その時には、男は叶美から離れていた。
そして男がこちらに向かって来ると分かり、すぐにまた隠れた。



―あいつがこっちに出てきたら、一発殴ってやる!!



どんな感情からそんなことを思ったかはわからない。
ただ叶美に手を出す奴に承知したくなかった。


少し待っていると、男が出てきた。
オレは堪えきれなくて、一歩踏み出した。



「お前っ叶美に何しっ…あ!!」



「あ!!」

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