Typhoon Of Love
⑧ (一真サイド)
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「おい、叶美!!」



あいつはオレらが叫んでいるのに何も答えずにそのまま走り去って行った。



―あれじゃ、追い討ちの追い討ちじゃねぇか…



一体誰がやったんだろう??


イライラしていた。今までこんなに苛立ったことは少なかったのに。


ふと視界に入ったのは、叶美の走って行った方を指差してヒソヒソ話したり、笑ったりしている奴等。
オレには耐えられない光景だった。



「おめぇら教室帰れ!!叶美の気持ち知らねぇで、笑ったり哀れんだりしてんじゃねー!!どんだけ叶美のこと知ってるつもりで話してる!?何にも知らねぇなら、そんな話する資格なんてねぇからな!!」



オレが叫ぶとそそくさと生徒達は教室に帰っていった。

廊下に残されたのはオレら3人。


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