Typhoon Of Love
⑨ (一真サイド)
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少しの間、オレらは沈黙したまんまだった。

そりゃそうだ。オレが怒鳴ったの、結構昔。
多分中学が最後だよ。



「…もしかしてさ、矢吹は何か知ってるの?」



最初に沈黙を破ったのは、矢島だった。
こいつ、叶美から何にも聞いてなかったみたい。
そうならすげぇショックだよな。
だって小学校からの大親友だぜ?!



「…一応…」



「矢吹が知ってて私が知らないなんて…どういうこと?!!」



矢島は目を潤ませながら聞いてきた。
こいつ、本当に叶美のこと好きなんだな。
オレはそう改めて感じた。



「オレも知りたくて知ったんじゃねぇよ。たまたまあいつが部室当番でオレが補習だったから…」



「どういうこと…?」


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